後手早石田対策 その2
「一般的な後手早石田対策を勉強しよう!」

その1はこちら


前回検討した通り、後手早石田そのものを防ぐ術は無いことが分かりました。
(厳密に言えば飛車先早突きで後手早石田は防げますが、そうすると「初手から居飛車を明示してしまう」「向かい飛車対策が必要になる」ということで自分には合わないと判断しました)
ちなみに言うと、ゴキゲン中飛車の超急戦が好きというのも飛車先早突きを採用しない理由の一つ。



ということで、今回は一般的な後手早石田対策について紹介していこうと思います。
こういうときに一番手軽なのがネットで既に載っていないか調べること。
なのですが、今回の企画はそもそも「居飛車党宣言!」というサイトを見て、思い付いたというのがあるので、こちらを参考にしていきたいと思います。

こちらのサイトに「後手早石田対策」というそのまんまのページがあります…、が、何故かホームからは辿り着けないような…。
しかも最近はずっと更新されていないので、直接リンク貼ってしまってもよいものか分からないので遠慮しておきます。googleなどで検索すれば直接辿り着け…、るはず。

結論から言ってしまうと、「このサイト見れば解決」ってことなのですが(笑)、そういうわけにもいかないので、少し検討してみたいと思います。
以下、続きを読むからどうぞ。




変化としてはまず、▲2五歩を突く前に▲4八銀、▲6八玉、▲5六歩などの手が考えられます。
「居飛車党宣言!」ではどれも難しいと結論付けられていますが、相手も正確に指してくるとは限らず、調べてみれば面白いかもしれません。
しかし、今回は「対策が出来ればよい」ってことなので、なるべく変化が少なく分かりやすいものを一つだけ勉強しておけばいいのではないかということで▲2五歩を掘り下げたいと思います。
というのも▲6八玉や▲5六歩など他の手はどれも▲2二角成~▲6五角といく手を狙っているんですよね。これはかなり研究して自信が無いと指せないので、今回はパスしました。
と言いつつ、▲2五歩は後手からの仕掛けが見えてるのである意味最も強気なのかもしれませんが(笑)。


というわけで、出発点は以下の形。




ここから△3六歩、△6二玉を考えてみます。
△3六歩となればこれはよく知られた定跡。
△3六歩▲同歩△8八角成▲同銀△5五角▲3七銀△3六飛▲7七角△3七飛成▲5五角△2八龍▲同角




これで角銀交換になります。駒得で先手良し、ってことらしい。
ちなみに△3七飛成に代えて△3七角成からいくと▲同桂△同飛成▲1五角が王手飛車。△3三龍と引いても▲同角右成△同桂▲同角成で優勢なのは分かるかと思います。
ただ、この進行については少し疑問点もあるので、それは次回。


一方の△6二玉の場合。
こちらも▲6八玉と居玉を避けつつ5七の地点を守りますが、今度は飛車の横利きが消えたところを咎めに△3六歩といきます。

△6二玉▲6八玉△3六歩▲3八金△3七歩成▲同銀△8八角成▲同銀△5五角▲7七角△3七角成▲同金△3六歩▲2七金△3七銀▲1八飛



一気に進みましたが、ほぼ一直線。今後は△3六歩に▲同歩だと角交換したときに両取りになってしまいます。なので、▲3八金と応援を送り、△3七銀と打ってきてもかわして、これで余している…、はず。3七の銀は動けず、▲1一角成もあって大丈夫。
と、これが一般的なやり方ですが、少し違った方法も。
それが△3六歩に▲7八玉と寄る指し方。8八の銀が浮くことなく玉も戦場から遠ざかることができる手です。
というか魔女さんがこっちだと言っていた(笑)。

△6二玉▲6八玉△3六歩▲7八玉△3七歩成▲同銀△8八角成▲同銀△3六歩▲4六銀△3七角





これで一見3筋が危なそうですが…。
▲1八飛とすれば後手の駒が渋滞しています。ただ、ここは▲同桂としても大丈夫。

▲同桂△同歩成▲2六飛




一見大丈夫じゃなさそう…(笑)。
ここでの後手の選択肢はたくさんありますが、
①△3六とには▲1六飛△4六と▲同飛と進んで、これが飛車成りの先手なので受ける一手に先手も▲3八歩と受けておいて、二枚替えながら角の使い道が多いので先手良し。
②△4七とには▲3四歩と打っておいて(取ると▲5六角)、△4六と▲同飛。①と同じように後手は飛車成りを受ける。これで後手良さそうだが、ここからの魔女さんの進行が驚き。
△4二銀▲3六飛△4五銀▲3五飛△3四銀▲8五飛△8二銀▲2四歩△同歩▲5六角△7二玉▲3五歩△同銀▲2三角打△4六銀▲3二角成△同金▲4一飛
これは一例なものの、狙いとしては「8筋を狙って先手を取りつつ」「2三を狙って飛車を捕獲」。
③△3六飛には▲同飛△同と▲5八金△4六と▲同歩△3九飛
あとは▲6六角や▲5六角などを先手先手で打っていけば先手良し。

スコア的には③が(後手にとっては)一番マシかもしれない


ちなみに一つ前の図で▲1八飛と逃げ、それに対して△4六角成から強引に突破しようとするのは…。
▲1八飛△4六角成▲同歩△3七歩成▲6六角△4八銀▲5八金右△4九銀不成▲5九金引△2七と▲6八飛△3九飛成▲1一角成





後手が最大に頑張った(暴発したとも言う)3筋突破を目指した例。
3七にと金を作っても実はその先が続かないんですよね。4九の金のお蔭で成り込みを防ぐことができています。なので△4八銀と無理やり行くことに。先手は金をうろうろしてかわし、角を成り込んで上図。△3八と~△2九龍などとしている間に馬で荒せば優勢でしょう。


ということで、難しいながらもなんとか対応できるという結果になりました。
え、これ以外の手は、って?それはまあ…、可能性は低いので、その場で考えるということで…。

ちなみに、
とある将棋序盤ソムリエの、将棋戦法つまみ食い」のyamajunnshogiさんは、「4手目△3五歩の後手石田流に可能性は無いのか?その1」という記事で▲2五歩~▲6八玉型を研究しています。この場合は▲2五歩を入れない形とほぼ同じで、▲6五角はよく取り上げられる形なので割愛。
というか、こちらを読んだほうがいいのではないかと思いますので…。

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