後手早石田対策 その4
「ちょっと脱線。先手早石田について考えよう 前編 乱戦対策を考える」

前回少し特殊な形について見ました。一応定跡の範囲内ではありますが、完全に防げるわけでもない、ということが分かりました。

さて、今回は特殊ついでに先手早石田でのちょっと気になった変化について考えてみます。

何故、先手の早石田について見るか。
元々、「後手番では2手目8四歩の居飛車党だから、先手の早石田については考えなくてもいい」という話になっていました。
つまり、「飛車先を急ぐので、▲7七角と受けざるを得ず、石田流にならない」ということなんですね。
ところが、それでも7筋を伸ばしてくることがあります。

▲7六歩△8四歩▲7五歩△8五歩▲7八飛






今回のテーマはこの局面。ここからの進行について考えてみたいと思います。
(実は今回の記事は、何故か先に局面図だけ作られていて、記事が作られていなかったんですよね。なので、局面図を見ながらその図を作ったときの考えを想像して記事を書いています)
実践例が無い(はず)なので、無理なんだんだろうとは思いますが…。

以下、「続きを読む」からどうぞ。



当然、△8六歩といきたいですね。

△8六歩▲同歩△同飛





これで後手は飛車の成り込みがほぼ確定しています。もちろん▲7七飛で一応受かりますが、後手としては先手の形を見ながらゆっくり形を整えて十分でしょう。
そこで変化球を考えます。実は実際に筆者がネット上で指された形なのですが、今回考えるのは▲7四歩△同歩▲5五角!




切り合いになれば事前の研究が活きるかもしれない…?
よく分からないので(そこまで深く読めるわけでもないので)、一直線の攻め合いを選択してみます。
△8九飛成▲8八飛△同龍▲同銀△8二歩▲4八玉△4二玉




先手は角だけでは戦力不足なので、飛車をぶつけて持ち駒にします。
しかし、先に△8二歩と受けられてはやはり二の矢が無いので一旦居玉を解消するくらいでしょう。
ここからは▲8三歩と合わせていく手が怖いですが、△7二金▲8二歩成△同銀▲8三歩△7三銀▲同角成△同桂▲8二歩成となると後手危険ですが、△8五飛と打って両取り(どころか歩・銀・角と当たっている)を掛ければ大丈夫です。
相横歩取りみたいな形ですね。
この形は5五の角が良い場所にも関わらず不安定なのが不満です。▲6六角などと引いて安定させるのは手損な上に攻めに使えません(▲4六角だと△3四歩が銀取り)。不安定だけれど動かしたくはないんですね。
なので、今度は工夫して、飛車をぶつけずに先に角成りをしてみます。

△8九飛成▲9一角成△3四歩▲6六香△7五桂






今度は角が動いたので△3四歩と角成りを狙います。先手からすると8一の桂も取れないので、とりあえず▲6六香と受けますが、後手も△7五桂と飛車先を受けつつ6七桂不成を狙って、これはさすがに受け切れないでしょう。先に△7五桂と打つ手も有力です。
ただし後手は居玉な上に金駒が一つも動いていないので(先手もそうですが)、例えば▲6三香成~▲5三成香~▲6三桂でいきなり詰んでしまいます。桂を質駒にするときはこの筋にだけ気を付けましょう。

というわけで今回の結論としては「攻め合ってどうやっても大丈夫」ということでした。

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